表面が香ばしく焼けたステーキに、カリッと上がったフライドポテト。

おいしそう~☆

でも実はこれが糖化。メイラード反応と言われるものです。

”糖とタンパク質に熱が加わることで結びつき、褐色になること”を糖化といいます。

。。。って、ただただ食欲がわくだけなんですけど。

そう。パン、お菓子、食品加工などにおいて、こんがりは美味しいに決まってます!

糖化っておいしそう!でも何が悪いの?

糖化は体の中でも起こります。

食事で取り込まれた糖質(炭水化物)は血液中で糖になります。

これが体の組織を作るタンパク質と一緒に体温で加熱されることにより、糖化が起きてしまうのです。

糖化が起こると体の組織を作るタンパク質が変化してしまい、正常に働かなくなります。

(=タンパクの異常化)

焼いたお肉を想像してみてください。柔らかく、弾力のあったお肉が、焼くと固く、もろくなるでしょ?

そして糖化反応の結果、最終的には糖化最終生成物(AGEs)が生成されます。

このAGEsは、一旦作られると元には戻らず、どんどん体に蓄積されます。

またAGEsは体の炎症をひきおこすスイッチを刺激するので、AGEsの生成や蓄積は様々な細胞や組織に障害を起こしていくことになります。

皮膚老化、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、がん、認知症、骨粗鬆症など、どんどん悪影響を及ぼしていくのです。

当然AGEsを排泄するはずの腎臓の機能も低下し、腎機能が低下しさらにAGEsが蓄積していくことになります。

糖化反応による体のストレス、AGEsの生成や蓄積による、その後の体への影響のことを糖化ストレスと言います。

①そもそもタンパクが変性してしまうこと、
②糖化反応の最終形であるAGEsの蓄積、
③AGEsが引き起こす炎症
がさらなる老化を引き起こしていくのね!

糖化反応を進ませるものって?

まずは食後の高血糖

空腹時血糖が基準範囲内であっても、食後の高血糖状態は糖化ストレスとなります!

高血糖時に生成される物質がタンパク機能低下に関与するそうです。

そのため食後の高血糖、その高血糖時間が続いたり、間食をして何度も血糖値が上がると糖化反応がすすんでしまうのです。

ショック!健診で空腹時血糖が正常だから大丈夫⭐︎ではないのね!!

下の図の斜線の面積部分が糖化を促進させることになります。

なので、血糖のピークがあがらないようにする、高血糖の時間を短くする、血糖が上がる回数を少なくするということが糖化の抑制につながります。

これについては今後、抗糖化対策編でとても大切な知識になるので、しっかり覚えていてください。

アルコールやダイエット、紫外線、喫煙も!?

AGEsは実は血中の糖だけではなく、

アルコール代謝や過度なダイエット、脂質酸化により生成されるアルデヒド、ケトンとタンパク質の反応でも生成されます。

そしてそのAGEs生成の反応は紫外線、喫煙、生体の酸化によりどんどん加速されます。

食品中のADEs

そして忘れてはいけないのが食事からくるAGEs。

先程のステーキのように、高温加熱調理した食品にもAGEsが作られます。

それをたくさん食べると、当然体に蓄積されてしまいますよね。。。

体が糖化しちゃうと実際どうなるの?

糖化がおこると、茶色になる、硬くなる、AGEsが蓄積するという変化が体内で起こっていしまいますが、具体的にどんな感じになるのか例をあげていきましょう。

皮膚色の変化

皮膚の表皮部分である角層にもAGEsが蓄積します。

このAGEsの蓄積は肌のキメの喪失につながります。

たんぱく質が茶色くなるので、肌がくすんできます。

肌の弾力・ハリがなくなる

皮膚コラーゲン中にもAGEsは存在し、加齢と共に増加します。

皮膚の真皮を構成するコラーゲンはバネ構造によって弾力を維持しています。

しかしコラーゲン蛋白が糖化すると、バネ構造がガチガチに固定されてしまい、しなやかさがうしなわれ、弾力性が失われ、皮膚にハリが無くなり硬くなってしまいます。

動脈硬化

悪玉コレステロールが糖化してAGEsが溜まった状態になると、通常の作用では分解しきれずに泡沫細胞という状態になって血管の内壁に蓄積します。これがアテロームという粥状の塊を形成し動脈硬化を招いてしまいます。そうなると、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞と進行してしまいます。

アルツハイマー病

糖化や酸化は蛋白の異常化を促進し、発生した異常タンパクは生体内での機能が低下し、細胞や組織に障害を及ぼします。アルツハイマー病の患者の脳に蓄積するβアミロイドは異常タンパクの一種で、神経細胞を障害し、記憶や学習能力などの神経機能を低下させます。

がん

AGEsの中でも特に注意を要するものとしてアクリルアミドが挙げられます。

これは国際がん研究機関からも要注意と指定されているものです。

じゃがいも、とうもろこしなど糖質を多く含むものを高温(120℃以上)で加熱すると産生されてしまいます。フライドポテト、ポテトチップス、ベーコン、ソーセージ、ハムなどに桁違いに多く含まれています。コーヒー、ほうじ茶など高温で焙煎した食品にも高濃度に含まれていることが報告されています。

しかし世界中の研究者、食品企業が食品中のアクリルアミドをできるだけ少なくする研究を進めているそうで、農林水産省の調査により日本でもポテトスナック、フライドポテトのアクリルアミドの濃度が低減したということが裏付けられたそうです。

まとめるとこんな感じです。

このように糖化は全身に影響を及ぼし、生活習慣病や老化につながっていくものと考えれています。

糖化の原因のまとめ
①食後の高血糖
②アルコール、過度なダイエット、脂質の酸化
③喫煙
④紫外線
⑤AGEsを多く含む食品の摂取

なんだか思い当たることがたおおいにあるんですけど。。。

ではどう対策すれば糖化を抑制できるのか。

それについては次回対策編で。